共感と成長のパートナーシップを。




心と体の繋がりとケアの本質。


渋沢 まるこ(しぶさわ まるこ)

公認心理師
ホリスティックコミュニケーション認定カウンセラー
ホリスティックコミュニケーション認定トレーナー

はじめまして。セラとぴあカウンセラーの渋沢 まるこです。
公認心理師としての仕事や私のことについて、カウンセリングを受ける時の参考にしてください。

公認心理師の日常

私の場合、普段は精神科・心療内科のクリニックでカウンセリングを中心に行い、時々心理テストなどの心理検査も実施しています。

クリニックでは、まずドクターの診断を受けていただき、その後必要であれば私のカウンセリングを受けることができます。

クリニックに来る患者さんが抱える悩みや問題はさまざまなので、その時々の患者さんの状況に応じて心理療法を使ったりしながら対応しています。

弱さを乗り越えて見つけた、自分でできる健康法の発見

自分の記憶によれば、中学生の頃だったと思いますが、その頃、河合隼雄さんの本などを読んでいました。とはいえ、大学は社会学部へと進学しました(笑)。

私は子どもの頃から体が弱く、常に不定愁訴に悩まされていました。元気な自分というのは、あまり記憶にありません。

そのため、いつも親は「あなたは弱いから」と言って私を心配していました。もちろん、親は私の体のことを心配してくれていたのですが、そう言われ続けると、言葉だけが心に響き、いつの間にか自分は全てが弱いと感じるようになっていたと思います。

もちろん、その当時にそんな自覚はありませんでした。ただ、「体も弱い、メンタルも弱い、私は何もかもが弱いんだ」と思い、この弱さと共に生きていくんだと、無意識レベルで思って生きてきたように思います。

しかし、30歳くらいの頃、体調がしんどい感じが強かったので、整体や鍼灸に行ったりしながら様々な健康法を試しました。そして辿り着いたのが「冷え取り」でした。

「冷え取り」が他と違ったのは、自分でできるという点でした。自分でケアできる方法があることを体感として知ったのは、大きな出来事でした。

それから、少しずつ元気になってきて、いろいろな健康系のセミナーに参加するようになりました。そして気づいたのは、それらに共通しているのが体と心の関係だったということです。

被災体験から学んだ、人生を豊かにするための選択

それまでの私は体が弱かったため、いざという時のためにお金を貯めておかなければという気持ちが強かったんです。しかし、東日本大震災を体験して、私の人生観は大きく変わりました。

実は、私は関西の大学に通っており、大学3年生の時に阪神大震災にも被災しました。この二度の被災体験は、私の人生観を大きく変える出来事でした。

「人はいつ死ぬかわからない」。そう思うと、お金を貯めることも大切ですが、やりたいことに使ってみてもいいのではないかという思いがふつふつと湧いてきました。

そこから、心に関することを学び始めました。その中で出会ったのがマッピングと、黒丸先生のホリスティックコミュニケーションです。

変化のきっかけはひと言から~心震える体験~

特にマッピングのセッション中に出会ったクライアントさんとのセッションが大きな転機になり、印象に強く残っています。

その方は、話の中で頻繁に「とりあえず」という言葉を使っていました。それが気になりましたが、途中で指摘してしまうと、本人が自ら気づく機会を奪ってしまうので、私はそれを指摘せずにセッション中にすべてを書き留めておきました。(マッピングでは、内容を全部書き留めるのです。)

セッションの最後にフィードバックする際、そのことを伝えました。すると、その方の表情が急に変わり、「私もこんな"とりあえず"の人生をやめたいです」と言われました。

私が何か特別なことをしたわけではなく、ただフィードバックしただけで、こんなに心に響くとは思いませんでした。

それからその方は本当に目に見えて変わっていかれました。人が変化を遂げる瞬間に立ち会うことで、心が震えましたし、人が変わるということがどういうことなのか、私自身が深く考えさせられる出来事でした。

大学院への挑戦

「心に関する仕事がしたい!」と思ったのですが、民間資格では満足できず、さらに体系的な学びを求めてアメリカ系の大学院に進学しました。

ここでは、実践的なカウンセリング技術と理論を深く学び、自身のスキルと知識を大きく伸ばすことができました。

この学びの場で、ディスカッションや実践を重ねる中で、カウンセリングにおける自己の姿勢と技術を磨き上げていきました。

心と体の繋がりを深める~カウンセリングとセルフケアの力~

私の出発点は、自分の体が弱いことから始まっています。だからこそ、心と体の繋がりの大切さを身をもって実感しています。

そして、「第三者に相談することで気付くことの力」も信じています。カウンセリングってハードルが高いと思われがちです。でも、関係のない第三者に話すことで、本音が話せたり、思わぬ解決策が見えてきたりするものです。

特にケア提供者の方は、自分を後回しにしているうちに、自分の感情や大切にしていること、本音がわからなくなってしまうことがあります。また、時間が足りないというのも、抱える問題の中で上位に入っています。

自分一人で抱え込んで、時間だけが過ぎていくのであれば、カウンセリングで相談してみるというのも一つの方法です。

一方で、「自分で何とかできるかも」と知った時の安心感は、今でも私の胸に刻まれています。第三者に相談すること、自分でやってみること、私はこの二つを上手に使い分けていただきたいと思っています。

メニューのオプションにセルフタッピングセラピーを取り入れたのは、そのためです。不安や緊張を感じ、心を落ち着かせる必要がある場面は、誰にでもあると思います。

そういう時に、自分でできる何かを持っているかどうかは、本当に安心感や心の余裕を大きく変えてきます。タッピングでなくても他の方法でも良いのですが、そうした自分だけのアイテムを増やして活用していただきたいと思っています。

共感と発見の場 ~ピアサポートで心を解きほぐす~

今後はピアサポートのような場を作っていきたいと思っています。ピアサポートというと特定のイメージでくくられがちですが、私がイメージしているのはもっと気軽に自分の心の内を話せる安心感のある場です。

自分のことがよくわからないと思っている人は案外多いんです。その方々と一対一でカウンセリングをするのも一つの方法ですが、「自分のことがよくわからない」と感じている人が5人や6人で、軽いお茶会のような雰囲気の中で語り合う場が大切だと思っています。

他者の話を聞いて気付いたり、共有することでの発見があったりします。カウンセリングだけでなく、他人に相談したり、人に頼ったりすることのできる、優しい空気に包まれた場を創り上げていきたいと思っています。