共に歩む作業療法の旅、[br-xxl][br-xl][br-lg][br-md][br-sm]小さな成功から大きな希望を見出す


作業療法士
ホリスティックコミュニケーション認定カウンセラー
NLPマスタープラクティショナー

作業療法士としての私の主な仕事は、患者さんが日常生活を送る上で必要な動作の練習を支援することです。

これには、患者さんと共に日常動作を一つひとつ丁寧に行うことが含まれます。たとえば、私たちの練習は患者さんがベッドから起き上がるところから始まります。

基本的な動作からスタートし、徐々に着替えや食事、トイレの使用といった日常生活の基本的な活動へと進めていきます。

こうした一連の動作は、患者さん一人ひとりの身体的な状況や生活環境を踏まえて、お一人おひとりに併せてプログラムを進めていきます。

私たちの仕事で最もやりがいを感じる瞬間は、患者さんが自分自身で日常生活の基本的な活動をこなせるようになったときです。

しかし、私たちの仕事は単に動作を見守るだけではありません。例えば、特定の筋肉のトレーニングを勧めたり、身体の特定部位をリラックスさせる方法を指導したりすることもあります。また動作分析を通じて、健康な人にも応用できる予防策や改善策を提案することも、私たちの役割の一つです。

日常生活の中で見落としがちな小さな動作の改善が、患者さんの生活の質を大きく向上させることがあり、その過程をサポートできることに大きな喜びを感じます。

今は作業療法士として充実した日々を過ごしていますが、実は、最初は理学療法士を目指していました。

大学を卒業後、私はスポーツトレーナーになる夢を持っており、そのために手技を中心とした専門学校に通っていました。その専門学校で学んだ手技に非常に興味を持ち、それを活かせる職場としてリハビリ助手として病院に入職しました。

病院で働き始めて初めて、理学療法士や作業療法士という職業の存在を知りました。職場の人たちから夜間に通える学校があることを教えてもらい、一年間の受験勉強を経てその学校に入学したのです。でも実は、私の第一志望は理学療法士。まさか第二志望に書いた作業療法士で合格するとは思いませんでした(笑)。そうして作業療法士としての道を歩むことになり、今に至っています。

私が心に興味を持ち始めたのは、スポーツの世界に対する興味がきっかけでした。特に野球を見ていて、監督が変わるだけでこれまで目立たなかった選手が突然素晴らしいパフォーマンスを見せるようになる場面が多々ありました。

選手たちが適材適所で活躍する姿を見て、「これは一体どういうことなのだろう?」と思いました。

その時期、人との関わり方によって選手のモチベーションやパフォーマンスが飛躍的に向上するという「人心掌握術」という概念を知り、体への興味と同じくらい、心への興味も深まりました。

リハビリの分野に入ってから、体の知識については非常に多くを学び、理解を深めました。しかし、心の影響については、なかなか納得のいく情報や解説に出会えませんでした。

心がリハビリに及ぼす影響については確信していましたが、それを具体的に説明できる人にはなかなか会えなかったのです。この業界では理論を重んじる人も多く、「心も大切だが、体を中心に考えれば心もついてくる」という考え方が一般的でした。

そんな中、心の治癒力にフォーカスした講演会に参加し、黒丸先生の講演を聞いたことが大きな転機となりました。その衝撃は今でも鮮明に覚えています。

黒丸先生のアプローチは、「何もしない」というものでしたが、その中に深い意味があることを知りました。何もしないことで患者さんが良くなるという話に強く惹かれ、どのようなコミュニケーションを取ればよいのか、その奥深さを知りたいと思いました。

黒丸先生から直接学ぶまでに5年間がありましたが、その間も文献を読みながら学びを続けました。直接学んでみて、コミュニケーションの深さとその影響力を驚きと共に実感しました。

それからは、作業療法の仕事においても、学んだコミュニケーションスキルを積極的に取り入れるようにしています。

とはいえ、最初からスムーズだったわけではありません。私が特に苦労したのは、職場の人間関係です。自分が良いと考えるやり方を、勉強会や日常の会話の中で共有しようと試みたのですが、それがなかなか受け入れられないことが多くありました。

多くの同僚は、自分の方法が最も正しいと信じており、他人のアプローチを間違っていると捉えることが多いため、そういった空気は非常に苦痛でした。

しかし、ある時、患者さんの事例を通して、認知、運動、感情が一体となり、さらに環境がそれにどう影響するかという視点を発表する機会がありました。

この事例では、患者さんと一緒に少しずつできることを確認しながら進めることで、大きな変化が見られたということを発表しました。この発表が意外にも好評で、それがきっかけで周りからの信頼が高まったと感じる出来事でした。

もちろん、職場の雰囲気が一夜にして変わったわけではありませんが、その出来事をきっかけに少しずつ変化が見られるようになりました。

医療、特にリハビリの分野では、原因分析が非常に重要です。私たちは、重心の位置、筋肉の弱点や硬直を特定し、その問題に対処するための理論的なプログラムを組み立て、それに従ってリハビリを進めてきました。

しかし、このアプローチでは、問題に焦点を当てがちで、患者さんにとっても、私たちにとっても精神的に負担が大きいものでした。

しかし、問題ではなく、患者さんが既にできていること、たとえ小さなことであっても、その能力に焦点を当てることにアプローチすることで、大きな変化がありました。

この変化により、患者さんは自分自身ができることに気づき、「これで良いのか」と安心したり、「こうすれば、こうなるんだ」と前向きなイメージを持つようになりました。

このプロセスを通じて、患者さん自身が自発的に動き出し、自分のリハビリに積極的に関わるようになったのです。この変化は、私にとっても新たな発見であり、私がこれまで培ってきた技術が最大限に活かされていることを実感しました。

患者さんが自ら動き出す姿を見ることができたのは、非常に大きな喜びであり、私たちのアプローチの大きな変革点となりました。

私がカウンセリングだけでなく日々の仕事で最も重視しているのは、「治してもらう」や「治す」ではなく、「治る」を引き出すことです。

このアプローチの根底には、人はだれでも自己治癒力を持っているという考えがあります。そしてそれは日々の小さな習慣の中に、その治癒力を引き出すヒントが隠されていると考えています。特に、現在続けている健康的な習慣を大切にし、それらに対して丁寧に向き合いたいと思っています。

このプロセスを通じて、ご自身の人生をコントロールできるようになることを目指し、腰痛対策だけでなく、あらゆる問題に対して自己効力感を持って取り組めるよう、サポートさせていただきたいと考えています。

この点は、私が作業療法士として、またケア提供者として重要だと考える本質です。

カウンセリングでは皆さまが主役です。しかし、時に私たち専門家が主役のように振る舞ってしまうことがありますが、その点には常に注意を払い、皆さまの自己決定を尊重する姿勢をこれからも大切にしていきたいと考えています。

私の目指すところは、お一人おひとりが日常生活において自らの力を最大限に発揮できるようになることです。腰痛対策をはじめとする私のカウンセリングにおいては、作業療法士としての独自の視点やこれまでに培ってきたスキルや技術を活用し、より多くの人の役に立ちたいと考えています。

またグループセッションを通じて他者からの動きや気付きを共有し、深い理解と改善を促すことに大きな価値があると感じていますので、今後はそうした取り組みも行っていければと考えています。

さらに、ケア提供者自身の腰痛率の高さにも注目しています。介護職や看護師など、職種ごとに特有のリスクがあるため、それらに対応できるプログラムを開発し、実践していきたいです。さらに、心の問題で苦しむ心身症の方々に対しても、黒丸先生から学んだ知見やNLPを活用し、その治癒力を引き出すサポートを行いたいと思っています。

そして、それぞれが少しでも前に進むためのサポートを継続的に提供していくことに力を尽くしたいと考えています。